シンエヴァ感想その4 Ver1.01を観て ネタバレ有り

来場者特典の本目的で2回目を観に行った。

同じ作品を映画館で2回観るのは人生初。

本の内容はQの直前を描いた漫画とイラストが何点かあった。

映画の内容は2回目という事もあり落ち着いて見れたし良かった。映像の微調整のみという話だったが台詞回しやカットが自分の記憶と違う箇所があった。以下、相違点。

 

1. アスカがレイに対して自分達は碇シンジに好意を抱くようあらかじめプログラムされていると話していた(1回目観た時は冬月の独白だった気がする、自分の記憶違い?)

2. アスカが入ったエントリープラグが13号機からサルベージされ、その後ケンスケの家の近くに着地しているカットが追加(前もあった?記憶にない)

3. マリが活動停止してマイナス宇宙に沈んでいくネルフのヴンダーもどき3艦に対してさよならアダムス達と言った(前もあった?つまりアダムスは三体とも艦の主機に使われていてエヴァ9-12号機はアダムスではなかった。艦から光る羽が生えてたのはこれで納得)

4. 宇部新川駅の向かいのホームにレイ、カヲルに加 えてアスカもいた(これは前からいたかも)

5. ラストで大人シンジがマリの手を取って宇部新川駅のホーム階段を駆け上がって右に曲がるシーンが追加(前もあった?かなり重要なシーンだから覚えてるはずだけど...)

6. 同じくラストで宇部新川駅を引きで撮るシーンでシンジとマリが駅を走って出てくる描写が追加(実写とアニメ絵の合成。前もあった?)

 

1と2に関してはアスカがシンジから卒業してケンスケと一緒になるというわかりやすい話の流れができていて良かった。

4、5、6に関しては宇部新川駅のシーンの捉え方が自分の中でガラッと変わった。

以前は宇部新川駅のシンジ側のホームはエヴァの無い世界でレイやカヲルがいる向かいのホームはエヴァの有る世界と解釈していた。マリはシンジのDSSチョーカーを外す事でシンジをエヴァの物語から解放し、シンジとマリ(庵野監督とモヨコ夫人にも重なる)は新しい現実へ走り出すという結末だと捉えていた。

ところが、ホームの階段を駆け上がって右に曲がったということはシンジとマリもレイやカヲルそしてアスカがいる側に渡っているという事になる。

結論から言えば、宇部新川駅のシンジがいるホームはマイナス宇宙であり、マリはDSSチョーカーの発信によってシンジを発見する事が出来たという事だった。シンジがエヴァに乗ると宣言した時にミサトがDSSチョーカーを渡したのはそれを意図したものだったのだ。

そうなると、以前公式Twitterが「マリをモヨコ夫人と重ねる解釈はおかしい」という内容のツイートをいいねした事も腑に落ちる。公開当時シンエヴァはかなりメタな内容だったという感想が多くを占めていた中で、宇部新川駅のシーンも同じくメタ表現の強いシーンという解釈だった(庵野監督自身がモヨコ夫人の助けを借りて父親とエヴァから決別するというもの)。しかしこのシーンはシンプルにマイナス宇宙からシンジがサルベージされるシーンでありエヴァの物語にちゃんと収まる内容だったのだ。

 

他、気づいた事

• イマジナリーエヴァンゲリオンが歪な綾波レイ化して出てきた時(ゲンドウの歪んだ認知をリアリティある顔とアニメ調の髪の合成で表現していると思われる)、北上ミドリが「こんなの絶対変!」とツッコミを入れていた。たまにギャグっぽいところを入れるのは庵野作品に散見される(ガンバスターの搭乗ドアが蝶番式でギーバタンと音がするなど)。

• 来場者特典のイラストでカヲルがシンジそっくりの子供を肩車してレイと佇んでいるものがあった。これをカヲルとレイがゲンドウとユイの転生体と見るか、輪環の理から解放されたアダムとリリスの転生体と見るか。ちなみ二人とも目は閉じているので瞳が赤いかは分からないが描いた人が隠しているということはおそらく黒く、黒いという事はゲンドウとユイの転生だと自分は思う。