君はどう生きるか感想 ネタバレあり
結論としてはジブリを解散させた宮崎駿から、カラー社長である庵野秀明に対するメッセージ(そしてアンサー)といった内容だった。
つまり庵野にジブリを継がせたかった宮崎駿が、それを諦め、カラーがジブリのようにならないようにというメッセージが込められた作品だった。
実母(ヒミ)=ナウシカ(火巫 = ヒミ= ヒメ=ナウシカ姫)※卑弥呼のヒミかも
継母(夏子)=風立ちぬの菜穂子
塔と周りの建物=ジブリ
キリコ=安野モヨコ(これは違うかも)
ペリカン=業界人
ワタワタ=観客(俺たち)
生まれた弟=宮崎吾朗
・繰り返し出てくる宮崎駿の過去作のメタファー
戦時中(風立ちぬ)
入院している母(トトロ)
火事の中走る(火垂るの墓)
田舎へ引っ越し(トトロ)
飛行機工場の経営者である父(風立ちぬ)
馬鹿でかい屋敷(千と千尋)
母探し(母を訪ねて三千里)
地獄の墓の遺跡(もののけ姫のモロの住処)
広大な海と巨大な魚(ポニョ)
塔の外壁に取り付く(ラピュタ)
並行世界につながる扉(ハウル)
姉(実母)が妹(夏子)を救う(千と千尋)
・ストーリーとメタファー
0. 飛行機工場経営者の父と母のもとに生まれる→ジブリ経営者の宮崎駿の元で風の谷のナウシカの作画に参加し、アニメ制作のキャリアを積む
1. 母親が火事で死に、田舎の屋敷に引っ越す→エヴァで燃え尽きたところに「風立ちぬ」のキャストでジブリに呼ばれる
2. 学校でいじめられて不登校になる→カラーに行かず引きこもる
3. アオサギに塔に来いと誘われる→鈴木敏夫にジブリに来て堀越次郎の声をやれと誘われる
4. 産気づく継母と上手くいかず、実母を恋しがる→エヴァ制作が上手くいかず、シン・ナウシカ制作を熱望する
5. 行方不明になった継母を探しに塔に入る→エヴァが作れないので風立ちぬの制作現場に入る
6. ペリカンから地獄の門に押し込まれそうになるがキリコに救われる→エヴァ制作で追い立てられ鬱になるが安野モヨコに救われる
7. 巨大な魚を釣りそれを切り分ける。身は黒い人、内臓はワタワタに配る→ポニョの興行収入を各所で山分けする。観客は映画の中身を見て楽しむ
8. 眞人は魚を食べたワタワタが天に昇って転生するのを眺める→映画を見た観客が喜ぶ姿を見て癒される
9. 天に昇っていくワタワタを食い物にするペリカン→観客から金を巻き上げることしか頭にない業界人
10. ペリカンを火柱で撃退する実母=拝金主義に対する批判
11. 焼かれて死にかけのペリカンのセリフ「この世界には魚も少ない、食べるものがない」→映画業界は売れるコンテンツが減った、もうグッズで儲けるしかないという嘆き
13. 大伯父様にこの世界を継いでほしいと言われる真人→宮崎駿にジブリを継いでほしいと言われる庵野秀明
14. 産気づいた継母から拒絶され、結界からも傷を負わされる→本当は吾郎にジブリを継がせたかった宮崎駿の本心。ジブリ後継者問題に足を踏み入れてしまった庵野への他からの批判。あるいはエヴァ制作で死の手前まで自分を追い込んでしまった庵野への警告
15. セキセイインコに囚われるヒミ→ナウシカ制作の権利を人質にとって庵野にジブリを継がせようとするジブリ関係者
16. ヒミを連れて大伯父様に直談判にいくも、それを断られヤケクソで積み石を切ってしまうセキセイインコ→後継者が見つからずヤケクソになったジブリ関係者
17. 崩れる塔から一斉に逃げ出すセキセイインコ→解散するジブリから他所に散っていくジブリ関係者
18. 現実に戻る際、ヒミと別れる主人公→結局ナウシカ続編の許可は庵野には降りなかった?
19. 13の積み石→宮崎駿監督の映画作品の数?カリオストロ、ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女宅、紅豚、もののけ、千と千尋、ハウル、ポニョ、仮暮らし、風立ちぬ、君たちはどう生きるか